小説の書き方 1
そろそろ、フクロウ博士の小説の書き方を聞きたい。
簡単にだろう?
それはそうだ。難しいのはいけない。難しいのは……
分かったわい
簡単に……というのが難しい。何か良い文献はないかのぉ?あったあった、公募ガイド2016年10月号に丁度良い記載があった。
小説を書く準備から完成までの流れ
- テーマを決める ストーリーを1~2行で説明した一文
- 取材する わからない事は調べる
- シノプシス あらすじ 概要を考える 「何が、どうして、どうなった」
- プロット シーンごとに詳しく書いた設計図
- 執筆 書き始めると頭の中に場面の絵が浮かび新しいアイディアが涌いてくる
- 脱稿 初稿の完成度を70%程と考えて、2度3度と推敲し初稿を削っていく。
- 完成
小説を書く上でつまずきやすい事
- 物語の型を知らない 起承転結 序破急 など展開が分かっていない
- 設定がノープラン テーマもあらすじも決めずに書き始めれば行き詰まる
- 人物が造形できない 魅力的なキャラ設定は重要
- 展開で行き詰まる 展開が行詰まった場合は「秘密が漏洩する」「禁忌が破られる」など展開の公式がある
- 書き方が分からない 小説特有の書き方、不問率がある
物語の設定を考える
- テーマ 題材にする「人間の衝動や性質を表す言葉」や短い一文。
- ロングライン 「Aという行動がBという結果を招く」物語を最大限に要約した一文
- シノプシス(あらすじ) 400字~800字
物語には型がある
物語には型があり、その応用と組み合わせ、変化形で成り立つ。基本は1の行って帰ってくる話
- 行って帰ってくる話 浦島太郎や桃太郎
変化形として、来て帰っていく話、竹取物語や鶴の恩返し - 欠如を回復する話 一寸法師やシンデレラ
- WHYとBECAUSE
キャラクター設定
それぞれのキャラクターを200字程度でまとめてみよう
- 主要キャラクター 主人公・対象者・敵対者 は必須キャラクター
- サブキャラクター 支援者・派遣者・贈与者 変身する者・トリックスター
登場人物には固有の性格がありますが次にあげる30の性格の中から3つ以上を組み合わせると現実味のあるキャラクターが生まれます。
空とぼけ | へつらい | 無駄口 | 粗野 | お愛想 |
無頼 | おしゃべり | 噂好き | 恥知らず | けち |
いやがらせ | 頓馬 | お節介 | 上の空 | へそまがり |
迷信 | 不平 | 疑い深い | 不潔 | 無作法 |
虚無 | しみったれ | ほら吹き | 横柄 | 臆病 |
独裁好み | 年寄の冷水 | 悪態 | 悪人びいき | 貪欲 |
物語の法則
人物の動かし方について、ウラジミール・プロップがロシアの100以上の魔法物語を分析し、人物の行為を分類している。これらの組み合わせにより人物の行動を表すことが出来る。
1 | 留守・不在 | 誰かがいない。人生から何かがなくなる |
2 | 禁止 | 誰かが主人公に何かを禁じる |
3 | 違反 | 禁を破る。やれと言われたことをやり損なう |
4 | 探り出し | 敵対者または主人公が情報を探り出そうとする |
5 | 情報漏洩 | 情報が洩れる、または情報を得る |
6 | 謀略 | 敵対者が騙し、罠にかけ、または何かを盗む |
7 | 幇助 | 主人公は騙される、知らずに敵対者を助ける |
8 | 加害・欠如 | 危害が加えられる、または何かが欠如している |
9 | 仲介・派遣 | 助けを求められたり、派遣者から使命を与えられる |
10 | 対抗開始 | 欠如を回復すると決意し、意思を表明する |
11 | 出立 | 主人公は出発する、出掛ける。 |
12 | 獲得の下準備 | 贈与者に試される、時には攻撃される |
13 | 主人公の反応 | 贈与者の試練に失敗したり、出発を拒んだりする |
14 | 呪具の獲得 | 武器、助言、愛情、助手など必要なん物を得る |
15 | 空間移動 | 境界を越えて新しい土地に移動、または案内される |
16 | 闘い | 敵対者と戦う、競い合う、勝負する、苦しむ |
17 | 標づけ | 戦闘により烙印かしるしが残る、何かを手にする |
18 | 勝利 | 主人公が敵対者に勝利する |
19 | 不幸・欠如の回復 | 欠如が回復する、マイナスがプラスになる |
20 | 帰還 | 主人公が元居た場所に帰る |
21 | 追跡 | 敵対者の身内。新たな敵、偽の主人公に追われる |
22 | 救出 | 誰かに助けられる、または脱出する |
23 | 気づかれざる帰還 | ひそかに到着、到着したのに気付いてくれない |
24 | 不当な要求 | 敵を倒したのは私だという偽の主人公が現れる |
25 | 難題 | 本物なら難題を超えられると課題が出される |
26 | 解決 | 14で得た何かや、17で得た標によって、課題をクリアする |
27 | 発見・認知 | 本物だと認められ、敵を倒したことが証明される |
28 | 正体露見 | 偽の主人公は課題をクリアできず、正体がばれる |
29 | 変身 | 新しい自分を獲得する、心の変化を外に示す |
30 | 処罰 | 偽の主人公は処罰を受ける |
31 | 結婚 | 恋人や妻を得る、王国をもらう、即位する |
どうだろうか? 様々な小説やハリウッド映画の展開もこれらの人物行動の機能の組み合わせで成り立っている事に気が付いただろうか?これらを組み合わせればストーリーメイクはかなり楽な作業になる。
小説を書くテクニック
人称と視点
- 人称 私は……一人称、彼は……三人称
- 視点 ・1視点……特定の一人の視点で書く
・多視点……特定の人物の視点で書くが、そういう人物が複数いる
・神の視点……客観三人称……なんで見知っている神のような立場の人が語る
説明文と描写 台詞と地の文
- 小説は地の文と会話(台詞)でできている
台詞には直接話法と間接話法がある。誰が言ったという記述は多くなるとうるさくなる。状況により工夫して書く - 地の文は、説明と描写でできている
事実を事実として簡潔に伝えるのが説明。説明では伝えきれない微妙なニュアンスなどが描写です
情景を描写する際、視線の移動が多いと読み手は想像が忙しくなり疲れます。視線の移動はスムーズに。
起承転結 序破急
「何がどうしてどうなった」という流れはかけているか?
起承転結がその作品のテーマに統一されているか?
起承転結それぞれの更に起承転結が同じ主題の元統一されているか?
ストーリーは36パターンしかない
シェークスピアの時代に既にあらゆるストーリーのパターンは書き尽くされ、どのようなストーリーもそれらの組み合わせ変化形に分類できる。その分類は次の36パターン
01、哀願・嘆願
02、救助・救済
03、復讐
04、近親者同士の復讐
05、追走と追跡
06、苦難・災難
07、残酷な不幸の渦に巻き込まれる
08、反抗・謀反
09、戦い
10、誘拐
11、不審な人物、あるいは謎
12、目標への努力
13、近親者間の憎悪
14、近親者間の争い
15、姦通から生じた残劇
16、精神錯乱
17、運命的な手抜かり・浅い配慮
18、つい犯してしまった愛欲の罪
19、知らずに犯す近親者の殺傷
20、理想のための自己犠牲
21、近親者のための自己犠牲
22、情熱のための犠牲
23、愛するものを犠牲にしてしまう
24、三角関係
25、姦通
26、不倫な恋愛関係
27、愛するものの不名誉の発見
28、愛人との間に横たわる障害
29、敵を愛する場合
30、大望・野心
31、神に背く戦い
32、誤った嫉妬
33、誤った判断
34、悔恨
35、失われたものの探索と発見
36、愛するものの喪失
以上を参考にテーマ、ロングライン、シノプシスを考え、プロットを作成し、執筆を開始するのじゃ。
頭が痛くなってきたわい。HULERは計画的ではないのだ。思い付きで書き始めて途中で頓挫する。真面目に考えないといけないのぉ。とほほ。
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